マレーシア航空機墜落後のオランダでは

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7月17日に墜落したマレーシア航空の飛行機には、193人のオランダ人が搭乗していた。

その日の深夜、東南アジアにバケーションに行っている若い知人から電話を受けた。現地で落ち合う約束をしていた友人がその飛行機に乗っていたらしいとのこと。とりあえず確認を取ってほしいとのことで、こちらからクアラルンプールに設置された安否確認の緊急番号に問い合わせると、その友人の名前は確かにリストにあった。
実際に、家族、友人、クラスメート、同僚、ご近所さんを失ったオランダ人は多い。そして私のように、間接的に被害者を知る事になった人も含めれば、まさにオランダ国民の大半が悼み悲しんでいることになる。

現場の様子は、「親ロシア派に完全に仕切られている。酔っ払って乱暴な振る舞いの武装勢力もいる」と報道されている。
報道陣や調査団は、彼らの理不尽な指示に従うことを強いられていると言う。事故翌日、法科学専門家による調査団と共にウクライナ入りしていたティママンス外相は、現場の一部は見せても、その先には行かせないなどの武装集団の行動に対して、「調査の妨害をする人物は、何か隠蔽すべきことがある容疑者だと、国際社会全体が考えることを覚えておけ」と強い言葉で声明を出した。

少し前に流された映像には、現場に散乱した物品をトラックに載せている集団や、物色している人たちの姿があった。遺体は、積み重ねるようにトラック載せられて運び出されていると言う。報道番組では、遺体回収に当たっている現地の人々が、このような大規模な事故現場での作業に対する知識がないことは明らかだと解説し、一刻も早く専門のチームに作業をさせるべきだと訴える。オランダ政府では、この遺体がどこへ運ばれているのかまだ確認がとれていないと言う。
→7月20日オランダ時間11:06の最新の情報によれば、遺体は冷蔵設備のついた電車の車両に安置されているとのこと。https://twitter.com/PaulSonne/status/490783544554180609/photo/1

オランダの銀行は、被害者から盗まれたクレジットカードやデビットカードの悪用を防ぐための対策の準備があることも発表した。

ルッテ首相の怒りの籠もったコメントも繰り返し報道されている。
19日夕刻の会見では、「たった今、時間をかけて自分の考えを電話でしっかりとプーチンに伝えた」と首相。オランダ人らで構成された調査団や鑑識のエキスパートたちが、妨害を受けることなく、安全に、公正かつ正確な調査を行えるよう「君は今、できる全ての手を尽くすべきだ。君以外に、この要求をするのに適切な人物は思いつかない」と圧力をかけ、ロシアが真に最善を尽くしているということを世界に証明するように迫ったと言う。

日中の気温が35度に達するという現場に放置されたままの遺体を一刻も早く安置所へ移すためにも、調査開始が急がれる。

同時に、飛行ルートを疑問視する声も強まってきている。多くの航空会社がすでに迂回していた危険地域上空の航路を、なぜマレーシア航空は選んだのか?

少しずつ明らかになる事実をニュースで見守りながら、多くの人々の胸中に疑問と怒りがふつふつとわき上がっている。

写真は、事故翌日スキポール空港に掲げられた半旗。

photo: (c) studio Frog 2014